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思ったことを思うまま。ときどき世界平和。ケラケラ笑う毎日に感謝。

私の思う人種差別

この投稿は、ジョージフロイド氏の事件を受け、アメリカ全土に#BLM の運動が始まった頃。

私のずっと考えていた事をシェアしたく、自分のSNSに投稿したもの。

誰かの何かを考えるきっかけになれたら、と思い、ここに再投稿します。

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差別の話をします。

 

この話は、見たくない人は見なければいいと思うし、それぞれのタイミングでもっと知りたい、話したいって時に、「やれやれ読んでみるか」くらいの気持ちで目に止まってもらえたら嬉しいです。

私自身もSNSで発信する事が正しいのか不明ですが、高校生の時だったら弁論大会のテーマに選んで発表したくなるくらい、自分の意見が溜まってきたので、アウトプットしてみます。


今まで生きてきた人生の中で、自分のパスポートに表記される国籍、性別に何か感じた事はありますか?パスポート持ってないなら、自分の話す言葉や、「日本人です。」「女です。/男です。」「◯才です。」と自然に自己紹介する行為に、違和感や不安感を持った事がありますか?もし、特に何も意識せず生きてこれたなら、すごく恵まれていると思って下さい。


差別は、ここに刃を向けます。

「国籍はどこか」

「女か、男か」

「何歳か」

「肌は黒か白か」

「話す言葉に特徴があるか」

「見た目に特徴はあるか」…
表にある「あなた」に、差別は降りかかります。あなたが今までどんな思いをしたとか、何を考えてるか、信じているもの、愛しているもの、内側の部分は見られる事なく、表側だけを見て拒絶される事が差別と私は考えます。


21才の時、私は初めてアメリカに行きました。そして、私は自分が「日本人」の「20代」の「女性」であることを突き付けられた気がしました。
前を歩いてくる白人の子供に「ニイハオ、ニイハオ」と、からかわれました。通りすがりの黒人男性に「お金が歩いている」と言われました。夜中乗った地下鉄で向かいに座った白人男性に「遊んでないで、学校にいけ」といきなり言われました。昼間、黒人の多く住む地域から地下鉄に乗ると、黒人男性に「この車両はチャイニーズウーマンは乗ってはいけない。隣の車両に行け」と言われました。私は彼等と一言も言葉を交わしていません。彼等は、彼等から見える私の容姿、見た目から読み取った彼等の価値観を私に突き付けました。
私はこの時、否応なしに自分が「アジア系日本人」の「20代」の「女性」である事に、初めて直面して、なんだかすごく悲しくなりました。


悲しくなると同時に思ったことがあります。
まず、自分が日本にいた時は分からなかった、見た目の特徴。日本に生まれ、日本人として生きてきた私に、わざわざ「日本人」であるという自覚は必要なく、20代だろうが、女だろうが特別扱いも差別的にも扱われた自覚のない私は、自分の国籍・年齢・性別にこれといった感情はありませんでした。単に差別を受けた事がなかったのです。
そして、もう一つ思った事は、このアメリカで、長らく差別を受けてきたマイノリティー(少数派)と呼ばれる人達のことです。肌が黒いと言うだけで、彼等は生まれた時から、私が受けた扱いとは、比較できないくらい辛い扱いを受けたのだろうと直ぐに想像できました。
アフリカン・アメリカン、いわゆる私たちが「黒人」と呼ぶ人種の歴史を調べてみた事がある人は多くいると思います。
アメリカに住む彼等の祖先の多くはアフリカの地から強制的に船に乗せられ、人間ではなく奴隷として連れてこられた人達です。そう、奴隷は人間ではないのです。そうなる事を強制的に強いられたアフリカン・アメリカン達は、自分たちの文化、音楽・ダンス・スポーツ・アート・宗教を含む抗議活動、社会活動を行なって今日のアメリカに奴隷解放宣言をもたらし、自分たちの差別に反対してきました。
それでも殺されるのです。自分の肌の色のせいで。アメリカに蔓延る差別によって。その犠牲者となったのが、今回のジョージ・フロイド氏です。
そして、アメリカにはアフリカ系だけでなく、多くのマイノリティーと呼ばれる人々が一緒に暮らしています。日本人の私も、アメリカに行けば、アジア系のマイノリティーに入ります。


私が言いたいこと、それは一つ。


この問題に、自分は無関係と思わないでほしい。知らないことは悪じゃないけど、知ろうとしない事は悪です。気付かないうちに出来上がった偏見や価値観は、誰かを傷つけ、いつかあなたやあなたの大事な人を傷付けるかもしれない。私に差別的な発言を浴びせた人達は、知らないだけなんです。私という人間の歴史、価値観、私を愛して大事にしてくれる人達の存在。彼等は知らなかったから、知ろうとしなかったから、簡単に誰かを傷つけられるのだと思います。


目の前の人を知ろうとするように世界で起きている出来事を知ろうとして下さい。飛行機でたった10時間ちょっとで行ける国で起きてることです。こんなにネットが便利で、ロボットが言葉を翻訳してくれて、世界はより身近に近くになってきたなか、世界の事に無関心でいることは、いつか必ず自分を苦しめます。
私のSNSのアイコンは、「DO THE RIGHT THING」黒人の映画監督スパイク・リー氏の映画ポスターを拝借しています。「正しいことをしろ」と直訳できるタイトルのこの映画は、80年代のニューヨークを舞台に、アフリカ系、ヨーロッパ系、アジア系のそれぞれのコミュニティから見た「正しいこと」をそれぞれのコミュニティが行い、そしてもたらされる現実を描いています。
一方、アメリカの色んな海外ドラマで、究極の選択を迫られたキャラクターに、アドバイスするキャラクターがよく「DO THE RIGHT THING」と言う台詞を言っているのを耳にします。「RIGHT THING/正しいこと」とは、何なのか。自分が考える正義は、他者から見ても正義なのか。正義のあり方を考えるこの言葉を常に忘れないようにしたいと私は思っています。


最後に、私はアメリカが大好きです。辛い経験もあったけれど、あの国は本当に沢山の事を私に教えてくれました。大きなスーツケースを抱えて階段を降りようとしていた私に、すぐ飛んできて荷物を持ってくれた黒人男性。お気に入りの服や靴を着ていると、「それめっちゃ可愛い」「どこで買ったの?」と色んな人種の女性から声かけられました。服屋で一生懸命接客してくれたのは韓国系アメリカ人の若い男の子。道に迷った私の下手な英語を一生懸命、優しい顔で最後まで聴いてくれた白人のお爺さん。レストランの店員さんは、私が日本人だと分かると、一生懸命「こんにちは」「ありがとう」と伝えてくれます。

「日本人」の「20代」の「女性」として、自信と自覚を教えてくれたのも、アメリカだったのです。
これは、私の考える差別の話です。そして、誰かが考えるきっかけに少しでもなれたらいいと思って文章にしました。

行動するなら、正しく行動したい。
DO THE RIGHT THING.
#BlackLivesMatter

 

 

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